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2013/02/12

熊谷勇樹展「そめむら」@ガーディアン・ガーデン

時間見つけていこう

それにしても審査員に写真家とか評論家いれないで、
もっと幅広くしてほしい
たとえば、ふらっと歩いてるおばさんとか。。

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第6回写真「1_WALL」グランプリ受賞者個展

熊谷勇樹展「そめむら」

2013年2月4日(月)~ 2月21日(木)

 

11:00a.m.-7:00p.m. 日曜・祝日休館 入場無料

断片的なイメージが織りなす世界と、不確かで確かなもの
熊谷勇樹は、女性の裸体や舞台の垂幕、子どもたちの泳ぐプールなど、一見するとそれだけでは何のつながりも持たないような、日常と非日常の狭間を切りとった作品「贅沢」で第6回写真「1_WALL」グランプリを獲得しました。「一点一点の写真に迫力があった」「言葉にできない何かを撮りたいのでは」と評され、不器用なまでにストレートな制作への熱情が審査員の心を掴みました。
初個展となる「そめむら」では、生活の拠点を置く東京と生まれ育った故郷で出会った光景、見知らぬ人物から知人までを被写体に、断片的なイメージの連なりを見せていきます。熊谷は、人が生まれ死んでいくことのように、理解の及ばない不確かなものたちが気まぐれに姿を現す、その一瞬を写真に捉えようとしています。染色が不均一な、むらのある状態をあらわす「そめむら」というタイトルには、何かを一義的にとらえることができないからこそ、この世に客観的真実はなく、私たちは自由に想像していいのだ、という熊谷の思いが込められています。是非会場でご覧ください。

展示によせて
24年を生きてわかったことがある。それは、自分の手に負えない事柄や不合理は確実に起きるということだ。その起きてしまったものに対し理屈っぽい態度をとったり、強引に暴いてみたり、または誰かに委ねてしまおうとは思わない。私はそのまま受け入れることの出来る「余白」が欲しいのだ。
そもそも私は、解決不可能な自己のなかにいる。確かな自分というものには一生かかっても辿り着くことができないのかもしれない。私自身が不確かな存在なのだから手に負えないことや不合理は当然起こるし、世の中明白なことばかりではない。曖昧なものだって存在する。答えが出せないことに不安を抱き迷いもするが、その不確かさこそが人間の最大の魅力だと感じている。
私はどこか遠くへ行って写真を撮る時、自分というものが彷徨いだす感覚を覚える。それは、どこの誰というものがなくなるからだ。そして、その感じは私の写真と似ていた。どこの誰とも規定されずに彷徨っているような非決定的な写真を撮ることで、世の中のあらゆる手に負えないものや不合理なものの存在を証明したい。私がいま生きているということやいつか死んでしまうということ以外にも世界は存在するのかもしれない。このような世界を、私は探している。
明確でないものは存在し続け、世界が多層的であればあるほど、彷徨っているものたちがどこかに着地できると信じている。


審査員より
「贅沢」と題された熊谷勇樹の作品群に最初に触れたとき、心の奥底がざわついた。無視できない強さがあった。何も考えないまま、疾走するように撮られた写真だと感じた。実際に写されているものは、さだまりがなく、バラバラだ。一貫性もない。それでいて、肌をいつまでも逆撫でして、止まない。だというのに、妙に心地よい。情緒を寄せつけず、それでいながら、妙に感情的だったりする。あるいは高揚しながら自爆するかのように、生まれながら消えてゆく。
きっと、彼は何かを人一倍、抱えている。それを捉える衝動に突き動かされているはずだ。それがどのようなかたちをしていて、何によって支えられているのか、私にはわからない。観る者は直接知らなくても、よいことかもしれない。
ただ、言えること。彼は喪失したものたちを無性に撮りたいのではないだろうか。喪失は、逆に存在を際立たせもする。だからだろう。彼の写真をずっと観ていると、幸福なのか、不幸なのか、痛いのか、心地良いのか、涙もろいのか、怒りっぽいのか、わからなくなる。一番わからないもの。それはきっと人間だ。そのもっともわからないものたちが、写真の上で息をひそめている。

小林紀晴(写真家・作家)

作家プロフィール
熊谷勇樹 Yuki Kumagai
1988年 静岡県浜松市生まれ
2012年 玉川大学芸術学部演劇コース卒
現在、野口博氏の撮影アシスタント

○受賞暦
2012年 第6回写真「1_WALL」グランプリ

○グループ展
2012年 第6回写真「1_WALL」展/ガーディアン・ガーデン、東京
第6回写真「1_WALL」展
2012年3月26日~4月19日開催
公開最終審査会 2012年4月5日(木)

以下の審査員により、熊谷勇樹さんがグランプリに選出されました。
[審査員]
秋山伸(グラフィックデザイナー・パブリッシャー)
小林紀晴(写真家・作家)
鈴木理策(写真家)
姫野希美(赤々舎代表取締役、ディレクター)
光田ゆり(美術評論家)
※五十音順、敬称略
第6回写真「1_WALL」展の情報はこちら

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